農作業安全コラム

田植えシーズンに向けて

H24年4月 土師 健

 田植えのシーズンを迎えるにあたって、田植機を使用する上で特に注意していただきたいポイントをご紹介させていただきます。

①傾斜地での注意
 ・上りは「後進」、下りは「前進」

 トラックへの積み下ろし、ほ場への出入りなど傾斜のある場所を通らなければならない事がありますが、田植機は重心が後にありますので、前進で上ったり、後進で下ったりするとフロントが浮き上がりやすくなって不安定になり、転倒・転落の可能性があります。
 写真の様にフロントウェイト代わりに人を乗せることは非常に危険で、田植機から振り落とされて頭を打ち、クモ膜下出血を起こされた方もいます。これまで無事だったから今後も大丈夫という保障はどこにもありません。このコラムをきっかけに是非やめて下さい。
田植機フロント


 ・ブレーキペダルは踏まない

 田植機によっては中途半端にブレーキを踏むと、ギアがニュートラルになるのと同時にブレーキが効かなくなる事があります。したがって減速する場合はエンジンブレーキを使うようにしましょう。やむを得ずブレーキペダルを踏むときはしっかり奥まで踏むようにしましょう。

 

②左右独立ブレーキの注意
 ・植付作業以外では必ずブレーキペダルを連結

 左右のブレーキペダルが連結されていないと、ブレーキペダルを踏んだ際に片効きとなる可能性があります。道幅が狭い場合や移動時等の速度が速い場合は特に危険で転倒・転落の可能性も高まります。トラクタの転倒・転落の主な原因としても左右のブレーキペダルの非連結が挙げられていますので、忘れずに確認しましょう。

 春作業が本格化し、お忙しくされていることと存じますが、「適度な休憩」と「ゆとり」を持って農作業に取組んでいただきますようお願いいたします。

 

キーワード:事故/安全装置・対策/田植機/移植・播種/稲・麦・豆
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