工程表にも記入しましょう
H25年3月 皆川 啓子
春の農作業安全確認運動が始まります。例年春先には農作業事故が多発しています。過去のコラムにもありますが、農業機械は季節によって年に数日もしくは数回しか使わず、「機械作業は毎年1年生」といわれるものもございます。このような機械をご使用する際には是非使用前には、くどいようですが取扱説明書の熟読、始動前の安全確認等を行ってください。
また、作付け計画もしくは作業工程表は作成していらっしゃると思われますが、その中に農作業安全についての記述はありますでしょうか?食料・農業・農村基本法やGAPにも農作業安全に関する項目が盛り込まれています。ケガをしないように、事故を起こさないように作業をすることは当たり前と思われているかもしれませんが、もしないようであれば改めて追加して下さると幸いです。特に農繁期は作業能率が一番、安全は二の次になりがちです。工程表等を見直した時に、一言農作業安全に心がけるよう書いてあるだけで再確認のきっかけになります。生産履歴情報の中にも、この時期にあの場所で、ヒヤリハットがあった等の記録をしておき、情報を共有するのも良いかと考えられます。情報網が発達した現在、消費者が生産履歴を公開している農産物では簡単に見ることができるようになりました。食べて安全安心だけではなく、生産者のみなさんの安全作業があってこその農作物です。今後、販売上の差別化を図るに当たって農作業安全に取り組んでいるということが売りになる日もそう遠くないかもしれません。
芽吹きの春、1年間無事故で農作業ができるよう心からお祈りしています。