農機店さんは農作業安全の最前線
H26年12月 岡田 俊輔
先日とある県の農機店さん対象の農作業安全講習会に、講師としてお招き頂く機会がありました。どのような話をすればいいのか考えていたところ、農機店さんもまた農作業安全の最前線に立たれているという考えに至りました。
① 農家さんと接する機会が多い県や国の農作業安全担当の方は、事故が最も多いご高齢の農家の方にいかに情報を伝えればいいか、頭を悩ませておられます。しかしながら、ご高齢の方はなかなか安全講習会に来て頂けないことが多いとのことです。農機店さんであればそういった方とも直接お話する機会もありますし、小規模で農業をされている方ともお付き合いがあります。また、講習会のように一方通行でなく、一人一人にきめ細かく対応することが可能です。 ② 機械に詳しい
私のような立場ですと機械の一部については詳しいですが、機械全体の知識となると農機店さんには遠く及びません。また、地域にあわせた機械の使われ方や、土地条件に合う機械の選定等よくご存知のことと思います。ベテランの方であれば機械を見ただけで、普段どのような使われ方をしているか想像がつくのではないでしょうか。 ③ 事故に接する機会が多い
事故機の引き上げや処分を依頼されることもあるでしょうし、物損で済んだ事故機が修理に持ち込まれることも多いことと思います。また、新聞やテレビ、ご近所の噂でお耳にすることもあると思います。場合によっては、事故直後に現場に呼び出されることもあるのではないでしょうか。 農水省では、農機店さんに対して事故情報の提供要請を行っております。農作業事故の情報をいかに入手すればいいか、それをどのように生かしていくかは、大きな課題となっております。お客様を守るためにも農機店さんの知識や経験、普段のお仕事を通じて、農作業事故の防止、事故情報の収集にご協力いただけると幸いです。