デッドマン式クラッチについて
H26年3月 岡田 俊輔
歩行用トラクタ(耕うん機、管理機)等の農業機械には、危ない時に手を離すと機械が停止するデッドマン式クラッチが装備されているものがあります。最近まで「デッドマン」の語源は考案者の名前か何かかと思っていたのですが、ウィキペディアによると、列車などで運転者が突然亡くなったり倒れたりしたときに暴走しないように、という発想から生まれた言葉とも言われているそうです。少し考えればわかることでお恥ずかしい話です。
農業機械においては、緊急時に運転者が事故に遭わないようにするための機能ですので、語源の意味合いとは若干機能が異なっているように感じられます。それを反映してか、咄嗟の時に手を離すことができず、せっかくの機能を発揮できないまま、事故に遭われてしまったという事例をお聞きすることがあります。他産業ではこのような事故を防止するために、ちょうどいい力でレバーを握っている時だけ機械が動作し、手を離しても、ギュッと握り込んでも停止する3ポジションレバーを利用していることがあります。操作力が大きい歩行用トラクタに、このような安全装置の導入が可能かわかりませんが、今後の研究の中でこの装置の導入可否についても検討を行う予定です。多様な使われ方をする歩行用トラクタですので、調査・整理する項目が多く、まだわからないことも多いですが、より安全な機械を目指し、研究・開発を行ってまいります。