農作業安全コラム

引き続き安全な作業を

H26年5月 皆川 啓子

 桜前線ももうすぐ本州縦断を終えようとしていますが、この冬の雪害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。数百年に一度の大雪といわれましたが、皆様いかがお過ごしでしたでしょうか? 今回の想定外の豪雪は、対策をしていても想像以上に被害が大きかったことと推察されます。

 これから梅雨の季節になりますが、近年想定外の自然災害が多発しています。避難勧告をどの時点で発表するのが適切か?ということがニュースなどで議論されています。早い時点で勧告すると頻度が多すぎて勧告が軽んじられてしまうのではないかという意見がある一方で、頻度が多くても災害が起きてからでは遅いので早めの勧告をという意見があります。

 安全を第一に考え、後者をとればそれですむかというと、当コラムでも話題にしていますが慣れという別の問題が出てきます。慣れというのは怖いもので「前回大丈夫だったから今回も大丈夫」と思ってしまうことが多々ありますが、「今回も何もなかった、無事でよかった、でも次は何かあるかもしれないから避難しよう」という取り組みが大切です。これは農作業安全にもつながります。「今回大丈夫だったから次も大丈夫」ではありません。「今回は大丈夫だったけれど、次は事故を起こしてしまうかもしれないから対策を練ろう、周りの人と情報を共有して同様のヒヤリハットを防ごう」という意識が大切です。

 H24年に発生した農作業死亡事故の概要が4月8日に農林水産省から発表されました。近年の農作業安全運動が功を奏しているのか死亡事故数は若干ではありますが、右肩下がりとなっています。詳細は本HPの「死亡事故の動向」を参照ください。

 引き続き安全な作業を心がけてください。

 

キーワード:事故/安全装置・対策
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