トラクターの補助席について
H30年3月 塚本 隆行
3月6日は啓蟄です。少しずつ暖かくなり始め、冬ごもりしていた虫たちが活動を始める季節です。農作業においては、種まきや土作りが始まります。畑に堆肥や土壌改良剤を撒いて今年最初のトラクターによる耕うん作業をされる方も多いことでしょう。お天気がよい日などはキャビンの中は暖かで、春の耕うん作業は心躍ります。
しかし、春の耕うん作業で毎年のように起こっているのが、トラクターや田植え機に子供を同乗させて転倒・転落する事故です。このような事故は、大怪我や死亡事故となることも多く、大変危険です。
近年、大きなトラクターでは、運転席の横に小さな補助席を備える機種がみられます。これについて、補助席がついていることでそのトラクターが二人乗りであると誤解されている方が多くおられるようです。トラクターの補助席は、運転についてのトレーナー(教官)を一時的に乗せるためのシートであり、常時二人乗りをするための座席ではありません。また、子供が補助席に座ると、体が小さいため足がフートプレートについておらず、座席から転倒、転落しやすい不安定な状態になります。トラクターが傾斜に乗り上げたときなどに、同乗させた子供が体勢を崩し、とっさに支えようとしてハンドル操作を誤る、このような事故が毎年のように起こっています。
今一度、取扱説明書をよくご覧ください。田植え機も補助席がついているトラクターも一人乗りです。また、トラクターや田植え機には子供は絶対に乗せない、運転中に近づけてはいけないことが明記されております。トラクターも田植え機も、運転席に正しい姿勢で座り、シートベルトをしっかり締めることで安全な運転が可能になります。補助席に子供を乗せることは大変危険ですので、絶対にやめましょう。ご自身とご家族の安全に気をつけて春を迎えましょう。