農作業安全コラム

安全性検査とは

R1年11月 冨田宗樹

 昨年度より、安全性検査が発足したことは、H30年8月本コラム「安全性検査が始まりました」でご案内しました。農作業事故の軽減がますます求められる中、皆様におかれましては、是非、優先して「安全性検査」に合格した機械を選んで購入・導入を進めて頂きたいと思います。

 このコラムの中で、「安全性検査」は「安全装備検査」「安全キャブ・フレーム検査」「ロボット・自動化農機検査」の3つで構成されていることを述べましたが、今回はこれらの関係についてご紹介します。

 平成30年3月、「農業機械化促進法」の廃止と同時に、「型式検査」「安全鑑定」も廃止となりました。しかし、農業機械の安全性評価は引き続き重要ですので、「安全性検査」が発足しました。ですから、まずは、「型式検査」「安全鑑定」は既に廃止されており、「安全性検査」がこれに代わっていることをご理解頂きたいと思います。

 「安全装備検査」は全ての種類の農業機械を対象としており、「安全性検査」の1階部分といえます。従って、全ての安全性検査合格機は「安全装備検査」を受験・合格しています。
 一方、「安全キャブ・フレーム検査」及び「ロボット・自動化農機検査」は、当てはまる場合に限り、特定の農業機械の特定の部分について、「安全装備検査」に加えて検査すべき事項を定めたもので、「安全性検査」の2階部分といえます。従って、「安全キャブ・フレーム検査」「ロボット・自動化農機検査」のみに合格した機械はありません。

 「ロボットトラクタ」を例に挙げますと、まず、「安全装備検査」を受験し、さらに、装着されている安全キャブ・フレームについて「安全キャブ・フレーム検査」を、ロボットとしての機能について「ロボット・自動化農機検査」を受験して、全てが合格した際に、「安全性検査」合格が付与されます。このように、セットとして受験し、合格する必要があることから、「安全性検査」の合格番号は1つだけであり、合格を証明するラベル(証票)も原則1台に1枚となっています。

 安全性検査の合否を決める「基準」については毎年見直しが行われます。そのため、「どの年度の基準に合格したものか」が、安全性に大きく影響する可能性があります。今年度は特に、「安全装備検査」について大きな改正が行われました。この改正については次の機会に改めてご紹介いたします。

 

キーワード:安全装置・対策/乗用トラクター
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