リンゴワタムシ, Eriosoma lanigerum (Hausmann)

カメムシ目 同翅類(Hemiptera, Homoptera) アブラムシ科 (Aphididae)


形態・生態

加害部位 枝、幹樹、葉柄、生長点、地表に露出した根(加害部はコブ状に隆起、樹勢の悪化)
加害形態 成虫、幼虫
発生回数・時期 4月下旬に無翅胎生雌となり産子、9月に有翅胎生雌が出現し移住
越冬形態 若齢幼虫(樹皮の裂け目や被害部)
形態 体長 無翅胎生雌 2.0 mm、有翅胎生雌 2.0 mm、
分布 北海道、本州 (ヨーロッパ原産で苗木を媒体として世界中に広まっている)

  枝寄生 成虫(黒色はマミー)    初期寄生  幹部寄生
  • 体が綿状の物質で覆われるアブラムシ.明治5年頃に苗木の導入時に
      侵入したと考えられる.リンゴの害虫として古くから有名.
    ・ 樹間空洞部や根部などで幼虫態で越冬し,5月頃から新梢に移動する.
    ・ 年10世代くらい経過.

    ・ ワタムシヤドリバチの導入以降は防除が必要になることは
      ほとんどなくなり,現在の所この虫の多発による被害は特に
      認められないが,目立つ虫のため発生時には目に付く.
     


    被害

      幹のコブ   寄生によるコブ   地際寄生
  • 枝の他,根などにも寄生し,また枝や幹の割れ目や剪定痕にできる
      癒合組織などに寄生する.加害部はこぶ状になる.根が加害されると
      こぶ状に隆起し,樹勢を悪くする.


    防除

    寄生蜂のワタムシヤドリコバチが導入されている

    ・ 近年各地で増加傾向である.リンゴワタムシにはネオニコチノイド系剤
     (他のアブラムシ類には有効)の効果がやや低いことが原因と考えられる.
      ワタムシの密度が高いところでは,有機リン剤で防除する.


    上へ    データベーストップページ