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北海道における暗きょ排水の実態と機能向上対策


[要約]
北海道における暗きょ排水の実態調査から、機能低下の要因と発生割合を明らかにし、これに基づき要因別の改善対策を示した。また、各種疎水材の特徴を整理し、新たに利用可能な資材を示した。
北海道立中央農業試験場・農業土木部・生産基盤科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]総合研究(農業物理)
[専門]農地整備
[対象]農業工学
[分類]指導
[背景・ねらい]
北海道の暗きょ排水の施工実態と機能低下要因を明らかにし、改善対策を提案する。また、地域資源の暗きょ資材としての利用促進に寄与する。
[成果の内容・特徴]
  1. 昭和46年以降に施工された、北海道の暗きょの疎水材使用率は、調査対象期間全体で43.4%と低い。しかし、近年では暗きょの間隔が狭く、吸水きょの深さが浅くなり、新たな疎水材の使用も増えている。
  2. 実施状況は地目や支庁ごとに暗きょの間隔や深さ、疎水材使用の有無(図1)や種類、管種などが違っている。水田では間隔が10mで、疎水材使用率が高いが、疎水材を使用していない地域もある。畑地では間隔や疎水材の使用に地域差がある。草地では間隔が14mで土戻し暗きょが主流である。
  3. 暗きょ排水機能低下は、直接的には埋め戻し土の土壌構造の消失や疎水材の投入量不足に起因している。また、間接的には粘土客土や土壌圧縮による耕盤層の生成があげられる。さらに、暗きょの維持管理や営農による排水対策が充分でなく、市町村で実施状況に差がある(表1)。
  4. 暗きょ排水の機能向上のための改善対策を表2に示す。
  5. 北海道で利用可能な疎水材を新たな資材を含めて総合的に提案する(表3
[成果の活用面・留意点]
  1. 既存の暗きょ排水の機能維持向上および地域の排水対策の取り組みの参考となる。
  2. 暗きょ排水の計画・設計・施工のための参考となる。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:北海道における暗きょ排水の実態と機能向上対策(指導参考)
[その他]
研究課題名:北海道における暗きょ排水の実態と機能向上対策
予算区分:道単
研究期間:平成11年度(平9〜13年)
研究担当者:北川巌,竹内晴信
発表論文等:火山礫の暗渠疎水材への利用,農業土木学会北海道支部,講演要旨,(1997)
北海道における各種暗渠疎水材の理化学性,農業土木学会北海道支部,講演要旨,(1998)

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