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ゆりの抑制作型における品種特性および栽培法
- [要約]
- ゆりの抑制作型では短茎開花の傾向が強く、葉焼けの発生や花色発現が不安定な品種がある。高温期栽培では遮光ネットでの遮光やプレルーティング、白黒マルチ、深植によって葉焼け発生が軽減される。低温寡照期栽培では夜温15〜18℃(昼温は+5℃)の場合の切花品質が良い。
北海道立花・野菜技術センター・研究部・花き第一科
[連絡先]0125-28-2800
[部会名]作物
[専門]栽培
[対象]花き類
[分類]指導
- [背景・ねらい]
- ゆりの抑制作型におけるオリエンタル・ハイブリッド主要品種の特性と高温期および低温寡照期の栽培管理法について検討する。
- [成果の内容・特徴]
- オリエンタル・ハイブリッド9品種を用いて6月から7月に定植する抑制作型での品種特性を調査すると、多くの品種で節間伸長が抑制されて短茎開花し、特に‘ルレーブ’‘クランス’‘スターゲイザー’で顕著である。
- 花色は採花期の気温の影響が大きく、採花期に高温が続くと‘マルコポーロ’では発色が見られない場合や、‘アカプルコ’‘ベルリン’では花色発現が悪いことがある(表1)。
- 葉焼けの発生はいずれの品種においても認められるが、‘アカプルコ’‘スターゲイザー’で特に多く、大きいサイズの球根を用いたり7月に定植する場合に‘マルコポーロ’‘コンアモーレ’‘ベルリン’でも発生が多くなる(表1)。
- ‘スターゲイザー’‘アカプルコ’を用いて高温期の温度管理法について検討すると、遮光ネットによる被覆は葉焼けの発生を軽減し、短茎開花が著しい‘スターゲイザー’では節間伸長を促進する効果も認められる(図1、2)。
- 球根の深植えや白黒マルチ、プレルーティングを行うことも葉焼け発生の軽減に有効である(図2)。
- 低温寡照期において夜温を15、18、20℃(昼温は+5℃)で栽培する場合の切花品質および補光の効果を調査すると、夜温15、18℃で栽培する場合に切花品質が良く、夜温20℃では到花日数は短くなるがボリュームの減少も認められる(図3、4)。
- 補光については到花日数の短縮やボリュームの増加(図3、4)、ブラスチングの軽減に有効である。
- [成果の活用面・留意点]
- 全道一円のオリエンタル・ハイブリッドの抑制栽培に適用する。
- 平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
- 課題名:ゆりの抑制作型における品種特性および栽培法(指導参考)
- [その他]
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研究課題名:花ユリの抑制栽培における安定生産技術
予算区分:道単
研究期間:平成11年度(平成8〜11年)
研究担当者:大宮 知
発表論文等:なし
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