夕方収穫による夏どりほうれんそう流通中の品質低下防止対策


[要約]
夏どりほうれんそう流通中の品質低下防止対策は、ビタミンC、全糖含量の高い夕方収穫とすることである。さらに、速やかな選別・調整、速やかな予冷(5℃以下)、好適な輸送温度の保持(5℃)が必要である
北海道立中央農業試験場・農産化学部・流通貯蔵科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]流通利用
[専門]加工利用
[対象]葉茎菜類
[分類]指導
[背景・ねらい]
夏どりほうれんそう流通中のビタミンC含量の低下要因を解析し、その改善策を確立する。
[成果の内容・特徴]
  1. 収穫後25℃貯蔵したほうれんそうのビタミンC含量の低下は5℃貯蔵より大きく、収穫後速やかな予冷が必要である(表1)。
  2. 収穫時に全糖含量の高いほうれんそうの貯蔵後のビタミンC残存率は高く(図1)、5℃貯蔵のビタミンC含量の低下は6、9月収穫物よりも7、8月収穫物の方が大きい(表2)。
  3. ほうれんそうビタミンC含量、全糖含量は早朝、朝収穫より昼および夕方収穫の方が高く、流通時にもその傾向が維持される(表3)。
  4. 以上の結果、夏どりほうれんそう流通中の品質低下防止対策は表4のようである。
[成果の活用面・留意点]
  1. 供試したほうれんそうの品種は、主にトニックである。
  2. 雨よけ栽培を対象とする。

平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:夏どりほうれんそう収穫後の品質低下実態と改善策(指導参考)
[その他]
研究課題名:移出野菜、花き鮮度保持、輸送技術
予算区分:道単
研究期間:平成11年(平成8〜11年)
研究担当者:土岐和夫

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