飼料作物用細断型ロールベーラの作業性
[要約]
細断型ロールベーラ、自走式ベールラッパによる細断コーンの梱包・密封作業能率は、圃場内走行作業では0.38ha/hで、定置作業の梱包では47.9個/h、密封が37.7個/hである。調製したコーンサイレージの10ヶ月後の品質はフリーク評点、V-Scoreとも良好である。
[キーワード]
細断型ロールベーラ、自走式ベールラッパ、圃場内作業、定置作業、品質
[担当]根釧農業試験場・研究部・酪農施設科
[連絡先]電話01537-2-2004
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
新たに開発された細断型ロールベーラとベールラッパの作業能率を明らかにするとともに、調製ベールのサイレージ品質を検討して、その作業性を評価する。
[成果の活用面・留意点]
- 供試機は、同時に牽引される2条刈りコーンハーベスタにより細断コーンをコンベヤ付チャンバに受け、これをベール成形室にまとめて送り込むことにより直径約80cm、幅約90cmのベールを梱包する定径型ロールベーラである。細断ベール用の自走式ベールラッパは9.6kW(13PS)のガソリンエンジンを搭載したクローラ自走型である。適応ベール寸法は幅100cm、直径100cmである(表1)。
- 精度試験の作業速度は0.68〜0.72m/sでベール重量は233〜364kg、密度は510〜726kg/m3である。梱包時のロスは1.6〜5.0kgで、その重量割合は0.4〜1.4%である。ラップ時のロスは0.5〜2.8kgで、総損失は約0.8〜1.8%である(表2)。
- 平均作業速度0.95m/sで収穫・梱包したときの総作業時間は40.2分で作業能率は0.38ha/hである。自走式ベールラッパの作業能率は、フィルム交換を含む1時間あたりのベール密封個数は21.9個/hとなる。
- 細断型ベーラの成形室後方に自走式ベールラッパを配置し、ホイールローダで細断コーンを供給し、ラップベールは別のホイルローダで運搬する定置作業の場合、梱包作業能率は47.9個/hである。密封作業能率は37.7個/hで、一個の平均重量は321.0kgとなる(表3)。
- 圃場内走行作業により調製したベールの5、8、10ヶ月後の開封時の品質はフリーク評点、V-Scoreとも良好で(表4)、供試した細断型ロールベーラは圃場内走行および定置作業により良質なコーンサイレージの調製が可能である。
[成果の活用面・留意点]
- 中山間地域等での飼料用とうもろこしの収穫・調製作業に利用が可能である。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「細断飼料用ロールベーラの作業性評価」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:細断型ロールベーラの開発促進評価試験
予算区分:受託
研究期間:2003年
研究担当者:高橋圭二、堂腰 顕、吉田邦彦
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