秋まき性が高い小麦を用いた大豆リビングマルチ栽培の雑草抑制効果


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・総合研究部・大豆研究チーム
[連絡先]電話011-857-9300
[区分]北海道農業・総合研究、共通基盤・総合研究
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. 図1に示した作業体系で小麦種子8〜16kg/10aを大豆と同時期に播種すると、小麦は大豆より1〜数日早く出芽し、地表面の被覆が慣行大豆畑より早まるため、雑草の抑制に利用することができる。小麦は8月上旬から自然に枯死しするため、小麦の刈取り、抜取りは不要である。
  2. リビングマルチ栽培で大豆の栽植密度を高めると雑草抑制効果は高まる(図2)。
  3. 大豆播種後の除草剤土壌処理を組み合わせたリビングマルチ栽培では、開花盛期まで機械除草・手取り除草を行うのに近い雑草抑制効果を示す(図3)。収穫前の拾い除草にかかる労働時間は0.4〜0.8h/10aであり、慣行の除草体系と大差なく、機械除草・手取り除草を省略する分の省力化が可能である。
  4. リビングマルチ栽培では、播種後20日頃まで大豆と小麦の草丈が同じであり、大豆の葉色は開花期まで慣行栽培に劣る。生育初期の競合により大豆の生育は抑制されて減収するが、大豆を30本/u以上の密植とすることにより大幅な減収を回避できる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は小麦品種には主に「ホクシン」を、大豆品種に「ユキホマレ」を供試した場合の結果であり、当面はユキホマレを対象とした技術とする。
  2. 大豆播種後に除草剤の土壌処理をおこなわない場合、リビングマルチによる雑草抑制効果は大豆開花期の機械除草の効果に及ばない。
  3. 大豆の収穫時には小麦はまれにしか残らないが、残存した場合には翌年出穂・結実する可能性がある。後作に間作小麦を栽培する輪作体系にはリビングマルチ栽培を導入せず、大豆収穫後には耕起を行う。
  4. 施肥量は慣行大豆栽培の基準に従う。
[具体的データ] [その他]
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