降雨によるダイズ出芽不良の対策としてのムギを用いる予備吸水処理


「要約」 「キーワード」 「担当」北海道研究センター・総合研究部・大豆研究チーム
「連絡先」電話0155-62-9275
「区分」北海道農業・総合研究、共通基盤・総合研究
「分類」技術・参考



[背景・ねらい] 「成果の内容・特徴」
  1. 播種された種子は土壌中の水分を吸収し、播種前に予備吸水処理をうけた種子のように、過湿条件に耐えることのできる生理状態へとコンディショニングされるが、播種後24時間前後まではコンディショニングは十分でない(図1)。
  2. 重粘性土壌畑では過湿によってダイズは出芽不良となりやすいが、予備吸水処理を行うことにより播種直後の降雨に対する出芽の安定化が可能である(図2)。
  3. ムギを用いる吸水処理の手順は、種子重量の8%のムギに、一定量の水(添加量は図3を参照)を加え混合し湿らせた後、大豆種子を加え均一に混合し、ビニール袋等の密閉容器に保存するものである。この方法では、処理開始後10時間目頃に種子含水率が目標含水率に達し、その後は一定となる。(図3)。
  4. 高湿装置内で数日かけて行う予備吸水とムギを用いる予備吸水で出芽安定効果は変わらない(図4)。さらに、裂皮種子でも予備吸水により出芽を安定させることができる(図4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. ムギによる予備吸水でも、過湿に対し種子を十分にコンディショニングさせるために24時間前後の吸水処理を行う必要がある。
  2. 添加すべき水の量は、ダイズ種子やムギの含水率に基づいてあらかじめ決定できる。また、吸水媒体としてムギと同様にイネ籾殻も使用できる。
  3. 降雨による出芽不良の程度は、降雨量や土壌の物理性によって影響される。過湿条件が著しい時には予備吸水処理だけでは対応できない。
「具体的データ」 「その他」
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