衛星リモートセンシングによる効率的小麦収穫作業システム


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・畑作研究部・生産技術研究チーム
[連絡先]電話0155-62-9274
[区分]北海道農業・総合研究、共通基盤・作業技術、共通基盤・総合研究
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. 収穫開始1〜2週間前に相当する7月中旬の衛星画像から求めた小麦圃場の正規化植生指数(NDVI,式1)は、収穫前の子実水分と高い相関を持ち、小麦生育の早晩の判断に利用できる(図1-a)。
  2. 5月上中旬の衛星画像の近赤外(IR)、NDVIは、生育初期の草丈や茎数と高い相関があり、これらより圃場の生育不良地点が特定できる。なお、生育良・不良の閾値は撮影画像と地上定点での生育状態によりに適切な値を求める。
  3. 生育不良圃場は収穫早晩推定精度低下の大きな要因であり、生育不良圃場を除くことで6月中旬の衛星画像からも、7月中旬の画像と比べ精度は低いものの生育早晩が推定できる(図1-b)。
  4. 開発したシステムでは、地上定点圃場での小麦子実水分と検証を行い、撮影時期別に衛星データの利用方法を変え生育早晩マップを作成し(図2)、収穫機配置の決定や乾燥施設での受け入れ水分の決定に利用する。
  5. 広域の小麦生育早晩を統一した尺度で順位づけることができるため、収穫子実水分の格差が減少してコンバインの負担面積が拡大する。また、乾燥調製施設への受け入れ水分の低下と均一化により、乾燥経費の節減が図られる(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本技術は広域の小麦収穫作業や乾燥・整作業を行う農協、集団等で利用できる。
  2. 圃場内の生育早晩の格差がわかり、収穫場所の判断に利用できる。
  3. 5月初中旬撮影の衛星画像よる生育不良を特定する場合、衛星画像に薄曇りのような明るさのむらがある場合、近赤外単独の利用は精度が落ちるので使用しない。
  4. 本研究は北海道を対象とし、ホクシンで行ったものであり、品種が異なる場合は別に扱う必要がある。
    平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
    「先端技術を活用した小麦適期収穫システム」(普及奨励) [具体的データ] [その他]
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