消費者ニーズに対応した工房製ナチュラルチーズの産地ブランド形成


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・総合研究部・農村システム研究室
[連絡先]電話011-857-9309
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 消費者のイメージに基づき各種チーズのポジショニングを行うと、国産大手製ナチュラルチーズやプロセスチーズよりも嗜好品として認識され、他のいずれよりもおいしい・安心であると認識されている(図1)。また、今後の購入意向のある消費者は、ないものに比較して、工房製ナチュラルチーズは「おいしい・風味がよい」・「安心である」という印象を強く持ち、その傾向はヘビーユーザほど強いことから、おいしく安心できる製品を提供することが需要拡大のための基本的課題である(表1)。
  2. 今後の購入意向はあるが購入経験のない潜在的ユーザでは「便利・手軽である」、「身近に購入できる」というイメージが実際のユーザに比べて弱い傾向が見られ(表1)、顧客の拡大のためには、容易に購入できるための販売方法や情報提供のうえでの工夫が求められる。
  3. 工房製ナチュラルチーズに対する要望としては、「工房や地域で特徴的な風味のあるチーズ」が最も多い。また、今後の購入意向のある消費者では、ないものに比べて「放牧で育てた牛の牛乳で作ったチーズ」、「有機栽培飼料で育てた牛の牛乳で作ったチーズ」など特徴的な原材料乳を使ったチーズに対する要望が強く、ヘビーユーザでは回答率が50%を超え、潜在的な需要があることから(表2)、これらの原材料を用いることを含め、個々の工房による個性的な商品づくりの展開が求められる。
  4. 現状では個々の工房の製品の特性の違いや購入先・購入方法に関する情報提供など販売・広告方法の工夫に対する要望が多い(図2)。それぞれの工房が個性を持った商品づくりを行う一方で、地域内の工房が連携して商品の多様性を活かした販売促進活動を展開するとともに、おいしく安心な製品を保証する仕組みを構築して、産地ブランドを形成していくことが重要である。
[成果の活用面・留意点] [具体的データ] [その他]
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