農薬のバーコードを活用した簡便な生産履歴作成技術


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・総合研究部・農業機械研究室、情報解析研究室
[連絡先]電話011-857-9265
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 日本農薬工業会会員、賛助会員を中心に、2004年4月時点における35社分の製品バーコード(JANコード)とその製品名及び農薬登録番号の対応を示すデータベース(約4500品目)を作成した。データベースは今年度ホクレン取り扱い品目の約95%を網羅する。
  2. 図1に示すように、開発したシステムではバーコードリーダーや携帯電話内蔵カメラでコードを読み取り、作業情報を記録することができる。農薬使用の診断は、入力された農薬名とこれまでに使用した農薬の履歴情報をリスク管理サーバーに伝送し農薬適正使用診断システム(北海道農研・情報解析研開発)により行う。
  3. 携帯電話やPC、PDAに接続可能で安価(3万円)なメモリ内蔵型バーコードリーダ(デジコード製:DMS201)を利用したwindows用作業記録プログラムは、作物、圃場名及び作業名等を示すバーコードシート(図2)の併用により農作業を記録することができる。
  4. 図1に示す防除作業機からの自動発信による記録方法では、防除機に情報収集装置(横河電機製、FA-M3)を搭載して無線IP通信により、農薬名、GPS位置、散布流量の情報を電子メールとして基地局に伝送する。基地局では、GPS位置から圃場毎の生産履歴を自動作成する。また、農薬使用の診断結果も基地局で確認することができる。
  5. 生産履歴作成の省力効果は、大豆栽培において上記3)、4)の方法と慣行法(表計算ソフト利用)で、作業日時、圃場名、作業名、作業時間、農薬名及びその施用量、作業者名(慣行法のみ)を記録し生産履歴作成した場合の比較より、防除作業では3)の手法で慣行法の約50%、4)の方式では、圃場名、作業日時の入力も不要となり35%程度まで省力化できる(表1)。
  6. 携帯電話(NTTDoCoMo)のバーコード読み取り機能を利用したシステム(iアプリとデータ管理用サーバー上の生産履歴作成cgi)により、読み取った作業日、農薬名、圃場名を記録できる。他の情報はPCによりインターネットを利用して入力する。
[成果の活用面・留意点]
  1. JA等生産組合の生産履歴収集・管理システムの要素技術として供することができ、既に導入されているシステムとの連携方法については個別に相談を受ける。
  2. 農薬データーベースは2005年3月に更新予定である。
[具体的データ] [その他]
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