農薬使用診断システム
[要約]
農薬使用状況の適否診断をインターネット上でおこなうシステムである。社団法人日本植物防疫協会JPP-NETの提供する農薬データベースを用いることで、各種農薬、作物に対する診断が可能である。また、本システムは栽培履歴管理システム等の他のアプリケーションと容易に連携することができる。
[キーワード]
農薬使用履歴、農薬適正使用、ウェブアプリケーション
[担当]北海道農研・総合研究部・北海道大豆研究チーム、情報解析研究室
[連絡先]電話011-857-9238
[区分]北海道農業・総合研究、共通基盤・情報研究、総合研究
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
農業生産のトレーサビリティーシステムの普及に伴って、作物のコンプライアンス(法令遵守)生産が強く求められるようになってきた。それらの管理業務が農業関係者の大きな負担となっている。特に、農薬においては各種の基準を遵守した使用とその履歴管理をおこなわなければならない。しかし、農薬の使用基準は複雑であり、作物ごとの基準にあわせて検査することは容易ではない。
これらの業務を軽減するために、インターネット等のITを活用して農薬使用状況の適否診断をおこなうシステムを開発し、農薬使用履歴の検査や農薬使用計画の決定支援に資する。
[成果の内容・特徴]
- インターネットを用いて、農薬使用状況の適否診断と農薬情報の検索、閲覧ができるシステムを開発した。システムは、Perl言語で記述されたCGIプログラム群とフリーのデータベースソフトウェア(MySQL)を利用した農薬データベースが連携して動作する(図1)。農薬データには、社団法人日本植物防疫協会JPP-NETの提供するデータベースを使用している。
- システムは、登録のある全農薬、全作物が対象となっている。農薬データベースは、随時更新がおこなわれるため、常に最新の情報に基づいた診断をおこなうことができる。
- 農薬データベースの管理、農薬使用診断システムの利用は、すべてウェブブラウザ上で操作することができる(図2)。
- システムは、JA等に導入されている栽培履歴管理システムなどの他のアプリケーションとの連携動作を前提としている。システムへの接続は、HTTPのPOSTメソッドを用いるため、どのようなアプリケーションであっても容易に連携が可能である。
[成果の活用面・留意点]
- 本システムを利用して農薬データを配信することは、JPP-NETデータの2次配布に当たるため、運用する際は、JA等の機関単位の管理者の責任のもとにユーザ管理をおこない、利用者を特定する必要がある。
- 本システムは、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構知的財産データベースに登録されている(登録番号:機構K-01)。利用に当たっては、担当者に連絡のこと。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:大豆の密植狭畦遅まき栽培を中軸とした新栽培システムの確立、道産大豆の域内消費を踏まえた生産・販売戦略の解明
課題ID:04-01-04-02-04-04
予算区分:交付金
研究期間:2002〜2006年度
研究担当者:伊藤淳士、喜多孝一、村上則幸
発表論文等:1)伊藤・喜多(2005)北農第72巻第1号:26-29
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