コムギ脱共役タンパク質遺伝子導入によるイネへの低温耐性付与


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・地域基盤研究部・適応生態研究室
[連絡先]電話011-857-9211
[区分]北海道農業・基盤研究、作物・生物工学
[分類]科学・参考



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. コムギ脱共役タンパク質遺伝子を35Sプロモーター下流部に連結したバイナリーベクターをアグロバクテリウム法でイネに導入した組換えイネ後代(T3)では、導入遺伝子が過剰発現している(図1)。
  2. WhUCP導入イネの幼苗(発芽後6日)の30mM過酸化水素水中での10日目の生存率は原品種に対して明らかに高い。(表1図2)。従って、コムギ脱共役タンパク質遺伝子は、イネの過酸化水素水耐性を向上させる。
  3. 第3葉展開期(高さ8-10cm)の幼植物を5℃で4.5日間処理すると、原品種の第3葉は多くが枯死するが、WhUCP導入イネでは枯死がほとんど見られない(表1図3)。従ってコムギ脱共役タンパク質遺伝子は、イネ幼苗の低温耐性を向上させる。
[成果の活用面・留意点]
  1. コムギ脱共役タンパク質遺伝子の導入により、低温以外にも、過酸化水素の発生をもたらす環境ストレスに対する耐性が高まる可能性がある。
  2. 穂ばらみ期耐冷性については、未調査である。
[具体的データ] [その他]
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