春まき、春夏まき、夏まきほうれんそうの品種特性
[要約]
春まき、春夏まき、夏まき作型におけるほうれんそうの抽台性、発芽・生育特性、外観品質、収穫作業性について品種特性を明らかにした。供試品種を草型等から4タイプに分類した。
[キーワード]
[担当]上川農試・研究部・畑作園芸科
[連絡先]電話0166-85-4116
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
北海道におけるほうれんそうの主要な栽培期間である春まき(4月下旬〜5月上旬)、春夏まき(6月上旬)、夏まき(7月下旬〜8月上旬)において、民間育成品種・系統について、抽台性、発芽・生育特性、外観品質、収穫作業性、内部成分(硝酸含量)について品種特性を調査し、産地における品種選択の資料を提供する。
[成果の活用面・留意点]
- 「SC7-405」の発芽は各作期ともやや不良である。春まきにおいて「スペードワン」「スターマイン」「ブリット」の発芽が良好である(表1)。
- 従来型の葉形が丸形で葉身の縮みの強いタイプ「トニック」「スターマイン」「晩抽パルク」「晩抽ジュリアス」「ブリット」に加え、葉形が中間型で葉先がやや尖り、葉身の縮みが弱く草姿が中間からやや立性のタイプ「スペードワン」「サマンサ」「ヘラクレス」「パシオン」「サンパワー」「KA1035」「アリスト」「試交MK-S35」「オズマ」、葉色が極めて濃いタイプ「SC0-408」「SC7-405」、立性が強く収穫作業性が極めて優れるタイプ「タイム」「タキシード」「スクープ」、以上の4タイプに分類できる(表1)。
- 硝酸含量については、2か年ともに夏まきの作型で有意な品種間差がみられ、「スクープ」「サンパワー」「晩抽ジュリアス」は硝酸含量が高い傾向を、「SC7-405」は硝酸含量が低い傾向を示す。作型間では、春まき<春夏まき<夏まきの順で硝酸含量が高くなる(表2)。
- 葉色(SPAD)が濃い特徴を持つ品種の硝酸含量が高いという傾向は認められない(図1)。
[成果の活用面・留意点]
- ほうれんそう産地における品種選択時の資料となる。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名
「ほうれんそうの品種特性V」
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:野菜の品種特性
予算区分:受託
研究期間:2003〜2004年度
研究担当者:菅原章人、黒島 学
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