夏どり黄心系はくさいの品種特性
[要約]
夏どり栽培(晩春まき作型)における黄心系はくさいの品種特性を、軟腐病及び生理障害の発生程度を中心に、標準品種「優黄」との比較で明らかにした。標準品種と同等以上の品種・系統を見出した。加工適性についても評価した。
[キーワード]
ハクサイ、品種特性、黄心系、抽たい性、軟腐病、生理障害、加工適性
[担当]上川農試・研究部・畑作園芸科
[連絡先]電話0166-85-4116
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
夏どりはくさいの生産安定を図るため、育苗期間には低温、生育期間には夏季の高温に遭遇する晩春まき作型における黄心系はくさいの品種特性を調査し、産地が品種選択する際の参考資料とする。
[成果の活用面・留意点]
- 収穫時に短縮茎が短い品種は、「彩星」「CR頼黄」「W-1106」「彩黄」である。特に「W-1106」は、生育日数が標準品種「優黄」と同等で収穫時の短縮茎が短いことから、「優黄」より抽たいしにくいと考えられる。
- 軟腐病の発生が「優黄」と同程度〜やや少ない品種は、「W-1106」「CR清雅65」「CR早春」である。
- 心腐れ症の発生が認められなかった品種は、「CR頼黄」「CR早春」である。また、縁腐れ症の発生が少なかった品種は、「W-1106」「CR清雅65」「C1-510」「サンビーチ」「CR早春」である。ゴマ症の発生が「優黄」と同程度〜少なかった品種は、「W-1106」「サンビーチ」「CR早春」である。
- 軟腐病、生理障害により「優黄」が低収の場合に「優黄」よりも多収であった品種は、「W-1106」「CR清雅65」「サンビーチ」「CR早春」である。一方、病害等が少なく「優黄」が多収の場合に「優黄」と同等以上の収量であった品種は、「W-1106」である。
- 加工適性(漬け物)について、漬かりやすさに品種・系統間差が見られたが、供試した全品種・系統とも材料として使用は可能である。下漬け後の色については、下漬け後も緑色が維持されていて黄色が鮮やかであったのは「W-1106」である。
[成果の活用面・留意点]
- はくさい産地における品種選択時の資料となる。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名
「夏どり黄心系はくさいの品種特性」
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:寒地輪換畑における表層透排水性改善技術を基幹とした畑作物・野菜等の高品質安定生産技術の確立
2.長期輪換畑を前提としたテラブレークシーディング等透排水性改善技術と畑作物・野菜の安定生産
4)葉菜類と根菜類の高品質安定生産技術の開発
予算区分:国補(地域基幹)
研究期間:2003〜2004年度
研究担当者:木村文彦
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