青果用だいこんおよび辛味用だいこんの品種特性
[要約]
青果用だいこんの新品種・系統を4作期で栽培し、それらの適応性を評価して優良な品種・系統を選定した。また辛味用だいこんの新品種・系統のイソチオシアネート含量などの主要特性を明らかにした。
[キーワード]
[担当]十勝農試・作物研究部・てん菜畑作園芸科
[連絡先]電話0155-62-2431
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
道内産地ではだいこんの新品種の導入が多く、地域に適した品種を選択することが重要である。そこで、民間育成品種を各作期で栽培し特性を評価して、産地が品種を選択する際の参考資料とする。
[成果の内容・特徴]
- 各作期で求められる重要な項目の特性を評価した(表1)。
1)作期T(5月まき):耐抽台性では、「美春」、「YR海洋」、「C7-13」が、低温肥大性では「初舞台」、「KSP-009」、「試交MK-R711」、「YR海洋」、「C7-13」が良好である。
2)作期U(6月上・中旬まき):軟腐病抵抗性では「KSP-008」、「試交MK-R711」、「RA213」が良好で、規格内率は「試交MK-R711」が高い。
3)作期V(6月下旬まき):軟腐病抵抗性で「貴宮」、「MRX304」が、耐抽台性では「貴宮」、「MRX304」、「試交MK-R711」が特に良好である。
4)作期W(8月上・中旬まき):肥大性では、「夏つかさ」、「冬自慢」が良好である。
- 辛味用だいこん品種の特性を示す(表2)。
1)辛味の指標値であるITC(イソチオシアネート)含量相対値は、「四季蒔倍辛大根」以外のすべての供試品種で青果用だいこん「健志総太り」より高い値を示す。
2)青果用だいこんの栽植株数(543株/a)では、「辛丸」、「辛味199」で裂根や空洞症が多発し、規格内率は低下する。しかし密植(815株/a)することで根重が減少し、それらの障害の発生率は低下する。
[成果の活用面・留意点]
産地におけるだいこんの品種選択の資料とする。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「だいこんの品種特性Y」(指導参考)
[具体的なデータ]
[その他]
研究課題名:野菜の品種特性
予算区分:受託
研究年次:2003〜2004年度
研究担当者:田縁勝洋、鳥越昌隆、田中静幸
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