中玉トマトの品種特性と房どり収穫


[要約] [キーワード] [担当]道立花・野菜技セ・研究部・野菜科、園芸環境科
[連絡先]電話0125-28-2800
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. 中玉トマトの「ファンゴッホ」(個どり収穫)は、大玉トマトの「桃太郎8」に比べて生育が早く、ミニトマトの「キャロル7」と同程度からやや早い傾向である(表1)。良果収量は「桃太郎8」、「キャロル7」に比べ多い(表1)。内部品質は「キャロル7」よりも劣るが、「桃太郎8」と同程度からやや優る(表1)。収穫時間は、「キャロル7」と比べると半分以下であるが、「桃太郎8」と比べると2倍以上である(表2)。
  2. 「ファンゴッホ」の房どり収穫は個どり収穫に比べて生育の早さは同程度で、生育後半の草勢は良好である(表1)。房どり収穫では、熟度の進んだ果実が収穫されるため、内部品質は優る傾向にある(表1)。良果収量は、個どり収穫の8割程度であるが、「桃太郎8」、「キャロル7」の良果収量より多い(表1)。収穫時間は、個どり収穫の3分の1以下で済み、調製時間を加えても個どり収穫の50〜70%程度である(表2)。
  3. 中玉トマトの導入にあたって、多収を求めるなら個どり収穫、省力化を求めるなら房どり収穫+個どり調製、差別化を図るなら房どり収穫+房調製(つる付き販売)が適する(図1)。
  4. 「ファンゴッホ」は、1果重が50〜60gで良果収量は「桃太郎8」よりも多い。供試中玉品種間では房どり適性は高く、食味、日持ち性が良い(表3)。
  5. 「ヘーシンク」は1果重が70〜80gで良果収量は「桃太郎8」よりも多い。「ファンゴッホ」に比べ日持ち性は優れるが食味がやや劣る(表3)。
  6. 「レンブラント」は1果重が40g前後で房どり適性、食味、日持ち性は「ファンゴッホ」よりやや劣る(表3)。
  7. 「ラブリー40」は1果重が40g前後で良果収量は「桃太郎8」よりも少ない。房どり適性、食味、日持ち性は「ファンゴッホ」と同程度である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 新たに中玉トマトを導入しようとする産地や直売グループ等で活用できる。
  2. 本試験は半促成長期どり作型、大玉トマトに準じた栽培法で行った。
[具体的データ] [その他]
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