ポテトチップ用で中早生のばれいしょ新品種「北海89号」


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・畑作研究部・ばれいしょ育種研究室
[連絡先]電話0155-62-9272
[区分]北海道農業・作物、作物・夏畑作物
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 「北海89号」は、早生の「とうや」を母、高でん粉価の「83068C-51」を父とするジャガイモシストセンチュウ抵抗性系統間の交配集団から育成されたポテトチップ加工用の系統である。
  2. 北海道においては、「トヨシロ」と比べて、熟性は同じ中早生で、茎長は同程度、一個重はやや小さく、収量は同程度〜少なく、でん粉価は同程度である(表1)。
  3. ジャガイモシストセンチュウに対し抵抗性を持ち、汚染地での栽培では同線虫の密度を低減し、未発生地では汚染の拡大を未然に防ぐ効果がある(表2)。
  4. ポテトチップのカラーは、北海道産の貯蔵前後、鹿児島県産においても「トヨシロ」より良い(図1)。
  5. 休眠期間が中なので長期貯蔵には向かず、翌年2月までの貯蔵に適する(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「トヨシロ」の一部に置き換え、当面は北海道の加工原料用ばれいしょ栽培地帯に普及する。
  2. 北海道で「トヨシロ」を秋播き小麦の前作に作付けしている地域では同様に栽培可能である。また、本州以南でも栽培可能である。
  3. 栽植密度に対する反応が大きく、疎植は収量低下の度合いが大きいので避ける。
  4. 「トヨシロ」より打撲に弱いので、収穫や移送時に打撲を与えないように注意する。
  5. 目数が少ないので、種いもを切断する場合は頂芽の位置に十分注意する。
[具体的データ] [その他]
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