bm3型トウモロコシサイレージ摂取牛の産乳性と第一胃液性状


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・畜産草地部・飼料評価研究室
[連絡先]電話011-857-9236
[区分]北海道農業・畜産草地、畜産草地
[分類]科学・参考



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. bm3型トウモロコシは通常型トウモロコシに比べ、中性デタージェント繊維(NDF)消化率が5.2%高く、セルロース消化率は7%高い(図1)。
  2. 粗飼料中のトウモロコシの構成割合を現行よりも高い6割に高めた混合飼料(粗濃比6:4のTMR)(表1)を給与した泌乳牛のbm3型トウモロコシサイレージの採食量は、通常型トウモロコシやイネ科牧草のサイレージよりも高く、産乳量は通常型トウモロコシ並である(表2)。
  3. bm3型トウモロコシサイレージの粗飼料価指数(RVI:摂取量1kgあたりの総咀嚼時間)は、牧草サイレージよりは短いものの反芻胃恒常性維持の目安とされる30分/kgは確保され、乳脂率は牧草サイレージや通常型トウモロコシサイレージと変わらない。bm3型トウモロコシは他の飼料よりも第一胃滞留時間が長い(表2)。
  4. bm3型トウモロコシサイレージ摂取牛の第一胃液のpHは、採食前は牧草サイレージと同様な値であるが、給与後3時間以降は高く推移する。また、採食後の総酸に対する酢酸の比率も他の飼料よりも高く推移する(図2)。
  5. 以上の結果は、リグニン含量が少ないbm3型トウモロコシサイレージの採食性は高く、第一胃滞留時間が長いことから、第一胃液性状をより安定化できるため、現行よりも高い割合での給与が可能であること、良質粗飼料を必要とする高泌乳牛の泌乳前期の粗飼料源として期待できることを示している。
[成果の活用面・留意点]
  1. bm3型トウモロコシの飼料特性に関する知見として、品種育成に有効な情報として活用できる。
  2. イネ科牧草(オーチャード主体1番草)は出穂期、トウモロコシは黄熟後期に、いずれも切断長9mmでサイレージ調製し、得られたデータである。
[具体的データ] [その他]
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