大ヨークシャーSPF繁殖雌豚の育成・妊娠期における飼料給与基準


[要約] [キーワード] [担当]道立畜試・家畜生産部・養豚科
[連絡先]電話:01566-4-5321
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 自由採食量の90%、80%および70%の制限給与条件において、育成開始から初発情発現までの期間の可消化エネルギー(DE)要求量は以下の回帰式で示された。
    DE(kcal/日)=13.26W+7036DG+1129(R2=0.84):W=体重(kg)、DG=日増体量(kg/日)
  2. 初回交配時体重を130kgに設定すると初産分娩時の産子数が少なく生時体重が小さくなる傾向にあることから、初回交配時体重140〜150kgを目標にするのが望ましい。その場合、飼料給与量(TDN68%)は、育成前期(育成開始から158日齢まで)2.0〜2.2kg/日、育成後期(159日齢から交配まで)2.2〜2.4kg/日とする(表1)。
  3. 2産目において妊娠期の母豚のみの増体量(NWG)35kg、25kgではNWG15kgに比べ生産子豚の生時体重が大きい傾向にあり子豚の増体も良好であった。しかしNWG35kgでは続く授乳期間の飼料摂取量が少なく母豚の体重が減少したことから、2産目のNWGは25kgが適当と考えられる。その場合妊娠期の飼料給与量(TDN68%)は平均で2.2kg/日とする(表2)。
  4. 授乳初期から飼料(TDN76%)を多給(表3)した母豚の約9割は飼料摂取量が高水準にあり、体重および背脂肪厚は増加し、子豚の発育も良好である(表4)。しかし、残り約1割は「食いどまり(授乳期間の8〜15日目に起こりやすい母豚の飼料摂取量の落ち込み)」を生じ、授乳期の総飼料摂取量の低下、体重と背脂肪厚の減少が認められたが、子豚の発育および発情再帰日数(表5)に大きな影響を与えなかった。したがって群全体でみるならば授乳初期からの飼料多給は母豚の体重と背脂肪厚の減少を抑制し、哺乳子豚の発育向上に有効である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験は高増体・低背脂肪厚の特長を持つ大ヨークシャーSPF純粋種豚における成績であるが、大ヨークシャーを用いたF1種豚の飼育においても応用可能である。
[具体的データ] [その他]
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