乳牛における繁殖機能の発達と初産分娩月齢の早期化


[要約] [キーワード] [担当]根釧農試・研究部・乳牛繁殖科
[連絡先]電話01537-2-2042
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. ホルスタイン種雌牛では、8ヶ月齢時の体重が263±27kg、体高が117.0±3.5cmと良好に発育した場合には8ヶ月齢で春機発動(初回排卵)、11ヶ月齢で性成熟(発情徴候の明瞭化)に至り、12ヶ月齢には授精可能となる(図1図2)。春機発動の時期は、発育が良好なもので早まるが、8ヶ月齢より早くなることはない。しかし、8ヶ月齢までの発育が停滞すると、春機発動時期は遅れる(図1)。
  2. 育成牛の発育を向上させ、体高125cm、体重350kgに到達する月齢を14ヶ月齢から12ヶ月齢に短縮して授精開始を早めることにより、受胎月齢は13.6ヶ月齢と早期に受胎させることができる(表1)。また、分娩月齢が24ヶ月齢未満の牛においても、受胎後の発育が良好であれば、24ヶ月齢以上の牛に比べ分娩事故が多発することはなく、分娩後に良好な繁殖成績が期待できる(表2)。
  3. 乳用後継牛を哺育期から預託されている2育成牧場(E牧場・N牧場)では、育成期に日増体量が0.9kg程度と良好に発育させており、このような育成牛に対して早期に授精を開始することで、13〜15ヶ月齢での受胎が可能となる(表3)。
  4. 2育成牧場に哺育育成預託していた9農場における初産次成績の調査から、良好に発育した育成牛では21〜24ヶ月齢で初産分娩しても分娩後の繁殖成績、泌乳成績に悪影響は見られない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本成績は、地域預託システムはもとより、自家育成の乳用後継牛にも適用できる。
  2. 初産分娩を早期化した乳牛における連産性については未検討である。
[具体的データ] [その他]
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