ペレニアルライグラス採草および兼用草地の適正な窒素施肥量


[要約] [キーワード] [担当]北海道立天北農業試験場・研究部・草地環境科
[連絡先]電話:01634-2-2111(代表)
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 単播採草地
    (1)乾物収量および推定TDN収量は窒素施肥量21kg/10a程度で頭打ちの傾向である(図1)。
    (2)無処理区との差し引き法による窒素利用率および施肥窒素1kg当たりの乾物収量は21kg/10a付近で最大(それぞれ81%、43kg/1kgN)である。
  2. 混播採草地
    (1)窒素施肥量が増えるに従いWCの乾物収量は減少するが、PRの乾物収量が増加するため、PRとWCの合計収量では増加する傾向を示す(図3)。
    (2)マメ科率は施肥量が増えるにつれて低下し、特に12kg/10aでは目標マメ科率(10%以上)の維持が困難である(表1)。
  3. 兼用草地(本試験では放牧期間は草丈20cmで刈取る模擬放牧で行った)
    (1)乾物収量は低収の0kg/10aを除くと、窒素施肥量による有意な差は見られない。窒素吸収量は3kg/10aで最大となる(図4)。
    (2)マメ科率は6kg/10a以上の施肥量で低下する傾向を示す(図4)。放牧期を通じてマメ科率が概ね一定となる施肥量は、3〜6kg/10aである。
  4. 以上から、ペレニアルライグラス草地の望ましい年間窒素施肥量は単播採草地で21kg/10a、混播採草地で9kg/10a、兼用草地で3kg/10aと判断する。
[成果の活用点・留意点]
  1. 当試験はいずれも台地土で行った。
  2. リン酸・カリウムの施肥および採草混播の窒素施肥配分はOGに準じる。
  3. 単播採草地においては窒素施肥量が増えるに従い飼料品質が低下する傾向にあるが、粗飼料として問題がある値ではない。
  4. 本試験は混播採草地においてはマメ科率10%以上、兼用草地においてはマメ科率15〜50%のPRとWC混播草地に適用する。
  5. 兼用草地の施肥配分は、当面、早春と1番草後の年2回の均等施肥とする。
[具体的データ] [その他]
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