牧草の新しいTDN推定式の精度


[要約] [キーワード] [担当]道立畜産試・環境草地部・草地飼料科
[連絡先]電話01566-4-5321
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. チモシーでは現行式と比較して決定係数(r2)に有意差はないが、誤差の平均値(Bias)が有意に小さいことから、精度がやや高い(表1)。
  2. オーチャードグラスでは点数が少なく、現行式と比較して有意差はないもののr2が極端に低く、Biasが大きいことから推定精度が低いと考えられる(表1)。
  3. マメ科草では現行式と比較してr2に有意な差はないが、Biasが有意に小さい(表1)。
  4. チモシーとマメ科を込みにした場合では、r2が現行式と同程度で、Biasが現行式より有意に小さい(表1)。またマメ科とチモシーの分布がほぼ一直線上に載ったことからマメ科とチモシーを同一の式で推定でき、特にチモシー・マメ科混播草において有用と考えられる(図1)。
  5. 全草種込み(全サンプル)では現行式と比較してr2が同等で、Biasが有意に小さく同等以上の精度を有している(表1)。
  6. 農家で生産調製された一般的な範囲のイネ科主体牧草サイレージにおいてNRC01式による推定値は現行イネ科式による推定値より約4ポイント高くなる(図2)。現行式がチモシーに適合していないためと考えられる。
  7. NRC01式は近赤外分析による成分推定値を用いた場合にも化学分析値によった値をほぼ実用的精度で再現できる(表2)。また、酵素分析分画からの回帰式を説明変数の一部(NDF-NDICP、ADL)に代入した場合においても実用的な精度を有している(表2)。代入する式および方法を表3に示す。
  8. 以上のことから、チモシー主体牧草が約90%を占める北海道においてNRC01式は牧草のTDN推定に有用である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 粗飼料分析サービスなどにおける牧草中TDN含量の正確な推定に活用できる。
  2. NRC01式ではオーチャードグラスに対して適合度が低いと考えられる。
[具体的データ] [その他]
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