酪農地帯におけるふん尿主体施肥の現地導入に対する課題と対策


[要約] [キーワード] [担当]根釧農試・技術体系化チーム(技術普及部、研究部草地環境科、酪農施設科、経営科)、釧路北部地区農業改良普及センター
[連絡先]電話01537-2-2004
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 圃場診断過程
     北海道施肥ガイドに基づいて草地と土壌を区分・診断し、各圃場に必要な肥料養分量を算出できる人材を確保する必要がある。そのため、計画的に研修や実習等を企画する(図1)。
  2. ふん尿の肥料換算過程
     ふん尿の養分含量は変動の大きい場合があるので、十分な貯留量のある複数の時期によく攪拌して採取し、個々の農家の代表値を把握する。ふん尿の養分含量を直接定量できる分析の外注先を確保することが望ましいが、困難な場合には、簡易分析で対応する(図1)。
  3. 施肥計画の立案過程
     ふん尿主体施肥に基づく施肥改善は、肥料の購入量と養分量の節減に有効である(図2)。精密な施肥設計は肥料銘柄と施肥量を多様化し、施肥作業を煩雑にするので、複数の銘柄を使い分ける作業体系を要する。農家慣行の肥料単価が低いと節減効果が低下するので、ふん尿主体施肥に有利な価格体系(保証成分の濃度に応じた価格設定、冬期に安い価格体系等)が望まれる(図1)。
  4. 計画実行過程
     個別農家では、計画されたふん尿施用量を遵守できない場合がある。その理由は、農家の意識、自然条件および体制・施設の問題におおむね区分できる(表1)。農家意識の啓発とともに、コントラクタ等施用体制の整備、作業者の操作技術の向上が望まれる(図1)。
[成果の活用面・留意点] [具体的データ] [その他]
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