雪中貯蔵キャベツにおける結球内部黒変症状の発生要因


[要約] [キーワード] [担当]上川農試・研究部・栽培環境科、畑作園芸科
[連絡先]電話0166-85-2200
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術、参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 本症状の発生程度が「0.5以上」の圃場では土壌の石灰飽和度、塩基飽和度が他の発生程度区分よりも低く、土壌診断基準値を下回る(表1)。
  2. 本症状の発生程度と結球部のカルシウム,カリウム,窒素含有率の間に有意な負の相関関係が認められる(表2図2)。
  3. 結球部カルシウム含有率は土壌化学性のうち、交換性カルシウムとの相関が強い(表3)。また、現地栽培圃場の交換性カルシウムは、土壌診断基準値を下回る場合が多く見られる。
  4. 発生葉位は結球部の比較的外側に多く分布し、発生部位は必ず葉縁部で“縁腐れ症状”を呈する。部位別のカルシウム含有率は、いずれの葉位についても中肋から葉縁部に向かうにつれて低下する傾向を示し、発生部位が最も低い。また、症状が発生している葉の方が発生していない葉より低い(図1)。
  5. 水耕栽培において、カルシウム添加量を減じたり、欠如させると本症状の発生が見られる(表4)。
  6. 以上より、本症状の主要因はカルシウム欠乏によるものと判断される。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験は「冬駒」を用いて実施した。
[具体的データ] [その他]
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