肉眼観察によるいちごの栄養障害診断
[要約]
水耕栽培で発現させたいちごの栄養障害(要素欠乏・過剰)症状の一覧表、カラー写真および障害検索用フローチャートにより、生産現場での簡易・迅速な栄養障害診断が可能である。
[キーワード]
[担当]北海道原環セ・農業研究科
[連絡先]0135-74-3131
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・普及
[背景・ねらい]
いちごの生産現場における栄養障害の簡易・迅速な診断および初動調査の便宜を図るため、肉眼観察による栄養障害診断法を確立する。すなわち、茎葉および根部に発現した栄養障害症状の特徴を明らかにするとともに、ビジュアル化(カラー写真)資料を作成することにより、体系的に障害症状を整理し、診断の便宜を図る。
[成果の活用面・留意点]
- いちごの栄養障害は、多量要素(N、P、K、Ca、Mg)と微量要素(Fe、B)欠乏症状および多量要素(N、K)と微量要素(Mn、Zn、B、Ni)過剰症状について、水耕およびポット栽培で発現させた計13種類の栄養障害症状の特徴(表1)、カラー写真(写真1、2)およびフローチャート(図1)により、生産現場での簡易・迅速な栄養障害診断ができる。
- 診断に当たっては、資料に提示した情報、症状の品種間差異、類似して紛らわしい障害の見分け方および症状発現部位の化学分析値も参考とする。
[成果の活用面・留意点]
- 現場段階における栄養障害の迅速な診断および初動調査時に活用する。
- 診断に当たっては、聞き取り調査および圃場環境等を勘案して、総合的に判断する。
- 正確な診断が困難な場合には、土壌・作物体の分析および病害虫診断が必要である。
- 栄養障害の症状は四季成り性品種である「エッチエス-138」「カレイニャ」のものである。他品種への適応においては品種により症状が変化する可能性を考慮する。
- 上記のビジュアル資料は、別途印刷して配付するとともに、インターネットのホームページ上で公開する予定である。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名及び区分
「肉眼観察によるいちごの栄養障害診断」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]研究課題名:園芸作物(いちご)の安定導入のための栄養障害診断情報
予算区分:道費
研究期間:2002〜2003年度
研究担当者:後藤英次
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