遊休農地化を防ぐための休閑期間の管理法と輪作体系


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・畑作研究部・生産技術研究チーム
[連絡先]電話0155-62-9274 
[区分]北海道農業・生産環境、共通基盤・総合研究
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 休閑期間に放任するとスギナ、エゾノギシギシが優勢となり、休閑後3年目にも雑草発生が著しい。休閑期間3年間のロータリ耕管理では休閑後1年目の雑草発生量が多い傾向にある。緑肥導入や隔年のロータリ耕管理では雑草発生を抑えることができる(表1)。
  2. 総作業時間(経営耕地面積40haの1割を休閑と仮定)は、畑輪作の68.1時間/ha/年から緑肥導入で6.3時間/ha/年、休閑期間中の年5回のロータリ耕管理で6.7時間/ha/年の短縮ができると試算され、放任した場合と大差が生じない(表2)。
  3. 休閑後1、2年目にバレイショ、テンサイ、大豆を栽培する場合の収量性は、休閑期間の管理法の違いによる影響が小さい。休閑後1、2年目に秋まき小麦(表3下線の値)を栽培する場合の収量性は、ロータリ耕管理では休閑期間の長短にかかわらず劣り、緑肥導入が望ましい(表3)。
[成果の活用・留意点]
  1. 北海道十勝地方における休閑期間中の管理や除草場合、耕作放棄を回避する管理法の参考となる。
  2. 作業時間は北海道農林水産統計年報(農業経営統計編)平成14年〜15年(畑作物の生産概況:小麦、豆類、いも類、工芸作物の面積割合から算出)および北海道農業生産技術場合北海道農政部編第2版により算出した試算値である。
  3. 長期間の耕作放棄ではマツなどの永年性の植物も侵入するので畑への還元が困難になる。
  4. ロータリ耕管理では裸地状態となるので土壌浸食に注意する。
[具体的データ] [その他]
目次へ戻る