気象観測ロボット網を活用する250mメッシュの小麦成熟期予測マップ


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・生産環境部・気象資源評価研究室
[連絡先]電話011-857-9234
[区分]北海道農業・生産環境 共通基盤・農業気象
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 数年間蓄積された気象観測ロボットデータを用いると、気象要素の値別(ランク別)に、地形因子からの気象値推定重回帰式を用意できる。その際、近傍アメダス(湿度については気象官署)との観測値比較から、地形因子解析に不適なデータを除外する。
  2. 任意の日のメッシュ気象値は次のように推定できる。
    ・ロボット観測値を取得する。全地点の観測平均値により、その日が属するランクを決定し、重回帰式を選択する。その日の属するランクのメッシュ値が得られる。
    ・ロボット観測地点について、上記ランクメッシュ値との残差を求める。各メッシュ地点について、上の残差を距離重みづけ法により配分する。
  3. 小麦(ホクシン)の成熟期は次のように推定できる。
    ・DVRモデルを作成する。北海道では融雪時期が発育の遅速に影響するが、融雪期の高精度推定はできない。そこで出穂期から計算開始するDVRモデルを使用する。
    ・現地で実施される生育生育調査から得られる出穂日データを使用して、未調査地点の出穂日を推定する重回帰式を作成し(年別)、全メッシュ地点の出穂期を推定する。
  4. 以上を統合すると、図1に示すフローにより250mメッシュ気象値の推定と、成熟期予測が行える。図2に示す成熟期マップを、出穂期の調査データが揃った時点から、日々更新して得ることができる。一連の作業を自動実行するアプリケーションが利用できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 日別日平均気温、相対湿度、日降水量と成熟期のメッシュ値の推定誤差は、RMSE(誤差の二乗平均)が0.3℃、2.9%、2.0mm、2.5日であった
  2. 気象ロボット地点より標高が高い、あるいは低い地点は補外推定になる。
  3. 未調査地点の出穂期を推定する重回帰式は、極めて生育が遅いなど生育異常を示す圃場のデータを使用せずに導出すること。
  4. アプリケーションは、チューニングと検証作業を行えば他地域へ移植できる。
[具体的データ] [その他]
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