成形バレイショデンプンを利用した菜豆類の混合乾燥技術


[要約] [キーワード] [担当]十勝農試・生産研究部・栽培システム科,株式会社 サタケ
[連絡先]電話0155-62-9835
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 混合乾燥は,デンプンを吸水材として菜豆類と重量比1:1で混合堆積し,通風は行わずに,受入水分(16〜18%程度)まで乾燥する(図1)。混合乾燥終了後,吸水したデンプンは分離工程でふるい分け(篩目4mm),熱風乾燥して再利用する。
  2. 混合乾燥では,恒温器内温度が高いほど,またデンプンの初期水分が低いほど子実水分の低下は速やかである(図2)。子実初期水分,デンプン初期水分と外気温を考慮し,乾燥所要時間が予測できる(図3)。
  3. 目標水分18%以下まで混合乾燥する場合,子実初期水分が26%以下,デンプン初期水分が6%以下であれば,常温通風乾燥よりも短時間で乾燥できる(表1)。乾燥終了時のデンプン水分は13%程度である。
  4. 混合乾燥では高さ100cmまで堆積可能であることから,常温通風乾燥と比べて単位面積当たりの処理量は同程度以上である。乾燥中の撹拌が必要なく省力的である。
  5. デンプン初期水分が5〜6%であれば,混合乾燥子実の吸水,煮熟特性は対照の常温通風乾燥子実と比較して大差はなく,製品評価は良好である。
  6. デンプン再利用のために,送風温度100℃程度,風量比12m3/s・t程度の送風条件で, 13%から5〜6%まで水分調整するのに必要な時間は,乾燥が約9時間,クーリングが約1時間,合計約10時間であり,一時貯蔵時の結露や著しい水分上昇はない。
  7. 汚れ指数2以上の菜豆類は,混合・分離工程で撹拌されることで汚れが除去され,指数が1程度減少する。
  8. デンプンは13回の繰り返し使用では,未使用品と比較して粒度は細かくなるが,剛度の低下はない。また,汚れ程度(細菌数)は,12回の繰り返し使用で増加することはなく,未使用品と同程度である(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 乾燥調製施設における菜豆類の集約的・計画的な乾燥に利用できる。
  2. 混合乾燥における子実初期水分は26%以下とする。デンプンの初期水分は5〜6%とし,品温を十分下げてから使用する。

    平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
    「成形バレイショデンプンを利用した菜豆類の混合乾燥技術」(指導参考)
[具体的データ] [その他]
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