自律機能付きトラクタによる高精度往復直進作業システム


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・総合研究部・農業機械研究室
[連絡先]電話011-857-9265
[区分]北海道農業・総合研究、共通基盤・作業技術
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. トラクタのパワーステアリング、スロットル、前・後進・停止、作業機の上げ下げ、PTO入切がPCから制御でき(図1)、トラクタに搭載したGPSとジャイロ(FOG)により、圃場内の位置、方向、姿勢を認識して、往復直進作業、転回が自動でできる。
  2. 圃場の4隅の端点、作業幅、GPS〜作業機中心、最小旋回半径をあらかじめ作業ファイル、あるいはメニュから入力すると、図3のように端点No1、2を基線として等間隔の作業幅で走行経路を生成し、自動転回して往復作業を行うことができる。トラクタ単体での最小旋回半径は4.5mで、転回スペースは8m以上必要である。
  3. GPSの衛星配置などにより、位置情報の精度が劣ったときには、復帰するまで停止しており、誤作業を防げる。走行軌跡や作業状況を自動記録し、作業の確認ができる(図4)。
  4. マニュアルと自動の切り替えがボタン一つで可能で、自動走行中もエンジン回転数の調整や作業機上下位置などもマニュアルで調整でき、作業者の意志を優先できる。転回後、生成された経路に一番近い経路を自動で認識し、作業機の上げ下げとPTO入切を自動で行い、コンピュータで自動生成した経路に沿って直進作業する。
  5. RTK-GPSを搭載したときの作業精度は、横方向変異で最大10cm以内(R.M.Sでは5.2cm)である(図4)。走行速度は10km/hまで対応可能である。センサの信号取り込みと制御は10Hzで行っている。
  6. プラウ耕うん作業での作業速度は2.7km/h、転回時間35sec、真空播種機による小麦の施肥・播種作業では、エンジン回転数1200rpm、作業速度3.0km/h、転回時間45secで作業幅の変動10cm以内での作業が可能であった。
[成果の活用面・留意点]
  1. 畝間隔が一定で高精度な直進作業が可能で、播種作業の場合、播種条が直線となり、その後の機械除草等の管理作業が容易になる。作業状況、走行経路を自動記録できるため、精密な圃場管理に利用できる。
  2. 直進走行のためのハンドル操作が不要になり、作業状況を監視できる。防除、肥料散布にも利用できる。
  3. GPSは、作業目的の精度に合わせて、高精度RTK-GPSや1m程度の精度のDGPSなどと入れ替えることができる。
  4. 安全のため、オペレータが乗車していることが前提である。
[具体的データ] [その他]
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