生産履歴の電子化および適正管理を支援するウェブアプリケーション
[要約]
PCや携帯電話を用いて生産履歴を電子化し、また農薬使用の適否診断を行うウェブアプリケーションである。本アプリケーションを、農協等で現在行われている紙ベースでの生産履歴管理業務と連携動作させることで、容易に履歴を電子化し管理することを可能とする。
[キーワード]
[担当]北海道農研・総合研究部・大豆研究チーム、情報解析研究室
[連絡先]電話011-857-9238
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
作物生産においては、生産履歴の適切な管理が求められている。そのため、農協等の各生産者団体で、生産履歴の記帳が行われている。高度に生産履歴を管理するには、PC等を活用した電子化を行うことが望ましいが、すでに紙ベースでの事業が行われている、高齢な生産者を中心にPC等への抵抗感がある、などの理由から、現状では電子化はあまり進んでいない。そこで、すでに農協等で行われている紙ベースの事業を変更することなく、新たに電子化の仕組みを付加するシステムを開発する。
[成果の内容・特徴]
- 農協等における既存の手書き文字の機械読み取り(OCR)処理による紙ベースでの生産履歴記帳方法に対して、PC、携帯電話による電子記帳の機能を付加することができるウェブシステムである(図1)。システム構成図は、本年度に南空知のA農協で行った実証試験に基づいている。
- 既存のシステムと新たに付加するシステムとの連携は、すべてインターネット上で行う。また、双方の規格の違いは、それを変換する機構(変換サーバ)によって吸収する。
- 生産者は、インターネットを介して生産履歴の記帳、農薬使用適否の診断を行うことができる。操作はPC(図2)または携帯電話(図3)を用いて行う。
- 既存のシステムに対する変更の必要がないため、PC、携帯電話等の使用を望まないユーザに対しては、それらを必要としない従来どおりの紙ベースの方法により対応することができる。また、PC等使用者のデータ出力形式を紙ベースのシステムのそれに合わせることで、両者の整合性を確保することができる。
[成果の活用面・留意点]
- 本システムは、perlで記述されたウェブサーバ上で動作するプログラム(CGI)である。本システムを稼動されるためには、CGIが実行可能なウェブサーバを運用する必要がある。
- システムを導入する際には、各農協等のデータ形式に合わせて変換サーバ上のプログラムのカスタマイズを行う必要がある。詳細は、担当者に相談のこと。
- 農薬使用の適否診断は、平成17年度の成果情報「農薬使用診断システム」の成果を活用している。
[具体的データ]
[その他]
大豆の密植狭畦遅まき栽培を中軸とした新栽培システムの確立
予算区分:交付金
研究期間:2002〜2006年度
研究担当者:伊藤淳士、喜多孝一、村上則幸
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