ダイズの主要な裂莢性遺伝子座のゲノム上の座乗位置


[要約] [キーワード] [担当]]北海道農研・地域基盤研究部・冷害生理研究室
[連絡先]電話011-857-9312
[区分]北海道農業・基盤研究、作物・生物工学、作物・夏畑作物
[分類]科学・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. F6:8のRILsにおいて圃場での裂莢性に関する広義の遺伝率は、0.8を上回る。
  2. 圃場での裂莢性に関してQTL解析を行うと、分子連鎖群JのSSRマーカーSat_366近傍にLOD値13.8、寄与率52%の効果の大きなQTLが同定される(図1)。
  3. 人工気象室で栽培した植物体についても、同様の位置に効果の大きなQTLが同定される(図1)。
  4. 「トヨムスメ」と同様な熟性遺伝子型を示し、前述の裂莢性に関するQTL付近が「ハヤヒカリ」型のRILを「トヨムスメ」に戻し交雑して得たF2集団では、Sat_366の遺伝子型が「ハヤヒカリ」型のものが、ヘテロ型や「トヨムスメ」型のものに比べ、顕著に裂莢耐性に優れる(図2)。
  5. 裂莢性に関するQTLに連鎖するSSRマーカー(最も近いSat_366と二番目のSat_093)において、「ハヤヒカリ」の難裂莢性遺伝子の供与祖先であるタイ品種「SJ-2」及びその後代の難裂莢性品種・系統は、Sat_093での1つの例外を除き同じ対立遺伝子型を示し、アメリカの難裂莢性品種や国内の易裂莢性品種の対立遺伝子型と区別される(図3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 難裂莢性育種のための情報となる。
  2. Sat_366およびSat_093は難裂莢性の選抜マーカーとして利用でき、特に戻し交雑での選抜に有効である。
  3. SSRマーカーはUSDAで開発されたものであり、WEB上で配列情報が公開されている(http://129.186.26.94/ssr.html)。
[具体的データ] [その他]
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