コムギのクラウンで発現するフルクタン分解酵素遺伝子


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・地域基盤研究部・越冬ストレス研究室
[連絡先]電話011-857-9524
[区分]北海道農業・基盤研究、作物・生物工学
[分類]科学・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 単子葉植物から初めて単離したコムギのフルクタン分解酵素遺伝子4個は細胞壁型インベルターゼと相同性がある(図1)。
  2. 単離クローンのうち2つの遺伝子(A211, C311)は6-ケストース特異的分解活性を持つ6-kestosehydrolase(6-KEH)、1つの遺伝子(D31)はフルクタンのβ(2→1)及びβ(2→6)結合分解活性を持つ6&1-fructan exohydrolase(6&1-FEH)を、もう1つの遺伝子(C42)はβ(2→1)結合分解活性を持つ1-fructan exohydrolase (1-FEH)をコードする()。
  3. A211、C311及びD31は葉組織では発現が低いのに対してハードニング中及び積雪下でフルクタン含量の多い時期にクラウン組織での発現が顕著である。一方、C42は同時期にはコムギの葉及びクラウンでは発現が抑えられている(図2)。
  4. A211とD31の発現量は、雪腐病抵抗性弱の「Valuevskaya」に比較して雪腐病抵抗性極強の「PI 173438」でやや低い(図2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. フルクタン分解酵素遺伝子の単離により、イネ科植物のフルクタン分解・消費と雪腐病抵抗性との関連の解明が可能となる。
[具体的データ] [その他]
目次へ戻る