フライに適し大粒・多収のばれいしょ新品種候補「北海90号」


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・畑作研究部・ばれいしょ育種研究室
[連絡先]電話0155-62-9272
[区分]北海道農業・作物、作物・夏畑作物
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 「北海90号」は、多収・低グリコアルカロイドの「ムサマル」を母、調理加工適性全般に優れる「十勝こがね」を父とするジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種間の交配集団から育成され、フライ加工に適する。
  2. 枯凋期は中晩生で、大粒・多収である。いもの形は楕円で、「ホッカイコガネ」に比べて、でん粉価が高い(表1)。
  3. ジャガイモシストセンチュウに対し抵抗性を持ち、汚染地での栽培では同線虫の密度を低減し、未発生地では汚染の拡大を未然に防ぐ効果がある(図1)。
  4. フライ適性があり、肉質は「ホッカイコガネ」よりやや粉質の中である(表3)。
  5. えぐ味の元であるグリコアルカロイドは光にあたることにより増加するが、「北海90号」ではその増加が少なく、収穫後の品質維持に優れる(表3)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 「ホッカイコガネ」の加工用の一部に置き換え、北海道の加工原料用ばれいしょ栽培地帯約300haに普及を予定している。
  2. 「ホッカイコガネ」の煮崩れしない生食用向けの置き換えは困難であるが、業務用一般としては利用可能である。
  3. 打撲黒変耐性が弱なので、過度の乾燥時や地温10℃以下での収穫は避け、塊茎の移動・選別時には、落下・飛び跳ね箇所を減らし、打撲を与えないように注意する。
  4. 「ホッカイコガネ」より中心空洞が発生しやすいので、十分な培土を行い、疎植・多肥をさける。

    平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
    ばれいしょ新品種候補「北海90号」(普及推進)
[具体的データ] [その他]
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