赤タマネギ花粉親系統「SRG-12」
[要約]
春まき栽培に適した赤タマネギ親系統「SRG-12」(エスアールジージュウニ)は、ケルセチン含量が多い中晩生の花粉親系統で、一代雑種品種の親系統として利用できる。
[キーワード]タマネギ、ケルセチン、春まき栽培
[キーワード]
[担当]
[連絡先]電話011-857-9306
[区分]北海道農業・作物
[分類]科学・普及
[背景・ねらい]
タマネギは、抗酸化性や抗変異原性などの機能が明らかにされているフラボノイドの一種であるケルセチンを特異的に多く含み、体内に摂取されるフラボノイドの重要な供給源であることが報告されている。さらに、タマネギの摂取は生活習慣病の予防に有効であることが示されるなど、タマネギの持つ健康に対する効果について注目が集まっている。
他方、急増する安価な輸入品に対抗するため、既存の品種よりも高品質・高付加価値な品種が生産者からは要望されている。このような背景から、ケルセチンを高含有する赤タマネギ親系統を育成する。
[成果の内容・特徴]
- 「SRG-12」は、Southport red globeを母材とし、球形、球外皮色及び貯蔵性などについて選抜して育成した自殖系統である。
- 草勢はやや強く、葉色は濃い。生育ステージの時期から、中晩生に分類される(表1)。
- 外皮(鬼皮)は紫色で色むらは無く、球内部りん片葉の着色も良い(表2)。
- 球重は162gで、球形指数は86となり整った球形である(表2)。
- ピルビン酸の生成量はやや多く、Brixおよびケルセチン含量は高い(表2)。
- 球の貯蔵性は中程度であり、採種上の問題はない(表3)。
[成果の活用面・留意点]
- 春まき赤タマネギの花粉親系統として利用できる。
[具体的データ]
[その他]
高機能性タマネギ品種の育成
予算区分:ブラニチ6系
研究期間:1996〜2005年度
研究担当者:室崇人、野口裕司、森下昌三、伊藤喜三男、杉山慶太
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