西洋なし「ブランデーワイン」の着果管理技術


[要約] [キーワード] [担当]中央農試・作物開発部・果樹科
[連絡先]電話0123-89-2285
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 着果程度
     (1)着果程度を少なくしても規格内果数は増加せず、過度に着果程度を制限しても規格内収量の増加につながらなかった(図1)。
     (2)着果程度を多くすると規格内果数はやや増加する程度なのに対し、規格外果数は着果程度が多くなると増加し、1果当たり頂芽数でみると5頂芽前後から増加の程度は大きくなった
     (3)果実糖度や翌年の頂花芽率に対する着果程度の影響は検討した範囲では認められなかった。
     (4)規格外果数の増加は無駄な収穫や選果労力の増加につながることから「ブランデーワイン」の適正な着果程度は1果当たり5頂芽程度で、1果当たり頂芽数と着果間隔の関係を検討した結果、着果間隔25cmが摘果時の目安として利用可能である。
  2. 摘果時期
     (1)満開後50日の摘果では同30日および40日の摘果に比べ果実重が小さくなり、翌年の頂花芽率も低下したことから、摘果時期として遅かった(表1)。
     (2)満開後23日の果実横径と収穫時果実重には高い正の相関が認められるが、満開後40日や50日に比べるとばらつきがやや大きくなり、回帰直線の傾きが急になったことから、極端な早期摘果では確実に大果を選ぶことが難しくなると考えられた(図2)。
     (3)以上の結果から、摘果時期は満開後30日〜40日が適当と考えられた。摘果時の果実横径と収穫時果実重に高い相関が認められたことから、摘果時点での果実の大きさが収穫時の果実重に大きく影響しており、「ブランデーワイン」で大果を生産するには摘果時に大きい果実を優先的に残す必要がある。
  3. 着果方法
     (1)1.5m程度の範囲では、近接して着果させても果実肥大が抑制されることはなかったことから、大果を収穫するには着果間隔が近くても大きい果実を優先して着果させるのが良い。
     (2)果台枝(芽)がある果そうでは大果の割合が多くなったことから、果実の大きさと併せて果台枝(芽)の有無が摘果時に着果させる果実を判断する目安として利用できる。
  4. 花そう摘花
     (1)花そう摘花の果実肥大に対する効果はそれほど大きくないが、翌年の頂花芽率が高くなり隔年結果の軽減に対する効果が認められた(表2)。花そう摘花は、時期的に他の作業との競合が少なく、後の摘果作業の軽減にもなることから、可能な範囲で行った方が良い。
[成果の活用面・留意点]
  1. 道内西洋なし産地における「ブランデーワイン」の着果管理に活用する。

    平成17年度農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
     「西洋なし「ブランデーワイン」の着果管理技術」(普及推進)
[具体的データ] [その他]
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