乳牛の生涯生産性向上に有用な体測定値に関する指標


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・畜産草地部・家畜育種研究室
[連絡先]電話011-857-9270
[区分]北海道農業・畜産草地、畜産草地
[分類]科学・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 北農研牛群におけるFHLの遺伝率推定値は0.06である。また体測定値とFHLとの間の相関は低い値(遺伝:0.00〜0.16、表型:-0.02〜0.16)を示す。
  2. 体測定値の推移をBertalanffyの成長曲線に当てはめることによって得られた成熟値AとFHLとの間の相関は、1に示した単独の体測定値との相関よりも高くなる(表1)。また成熟率kとFHLとの間の相関は負の値を示し(表1)、晩熟の個体ほど牛群に長くとどまる傾向を示す。
  3. 分娩前後の体重変化指標とFHLとの相関は、線形指標とは負の、非線形指標とは正の値である(表2)。すなわち分娩前後の体重変化がより緩やかな個体ほど牛群に長くとどまる傾向を示す。
  4. 説明変数に成長パラメータを取り込んだ重回帰式により、FHLの24.2%を説明できる(表3)。また説明変数には最終的に到達する成熟値 A だけでなく、成長の過程を示す成熟率kも多く選択される。
[成果の活用面・留意点]
  1. 乳牛の乳生産性と生涯生産性を同時改良するために、牛群滞在期間に関する選抜を可能とする体型指標を選定するための基礎データとなる。
  2. 牛群滞在期間に成熟率が大きく関係し、晩熟な個体ほど牛群に長くとどまることは、成長の過程の重要性を示唆しており、今後の育種の方向性を考える上での参考となる。
[具体的データ] [その他]
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