草地酪農における道産飼料100%の乳牛飼養法


[要約] [キーワード] [担当]根釧農試・研究部・乳牛飼養科、乳質生理科、作物科
[連絡先]電話0153-72-2042
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. チモシー主体牧草サイレージの混合飼料(TMR)において、輸入飼料であるトウモロコシを使用した場合に比べ小麦を23.2%使用した場合には、第一胃内pHが5.8以下となる時間が長くなる傾向がある。小麦を15.5%使用した場合、あるいは、小麦15.5%+米ヌカ6%の場合は、トウモロコシを使用した場合と同等の第一胃内発酵となる(表1)。
  2. チモシー主体牧草サイレージと農業副産物(小麦、フスマ、米ヌカ)を使用したTMRにより、乳成分および繁殖成績を良好に保ち、305日乳量で7,300kgの乳生産が可能である(表2)。このTMR構成では、分娩後150日以降に過肥の傾向がみられたので、分娩後100日以降についてさらに細分化したTMR構成例を表3にまとめてある。
  3. チモシー主体草地に昼夜放牧した泌乳牛に農業副産物(小麦、フスマ、ビートパルプ)を併給することにより、乳成分および繁殖成績を良好に保ち、8,000sの乳生産が可能である(表4)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果は、道内自給飼料を主体とした乳生産を行う場合に活用できる。
  2. 現在北海道の泌乳牛用濃厚飼料の量はおよそ150万tである。これに対し、本成果で濃厚飼料として用いた道産農業副産物の賦存量は50万tほどである。また、規格外小麦(7万t)、フスマ(13万t)および米ヌカ(5万t)は、ビートバルプ(24万t)に比べ賦存量は少なく、かつ、飼料用以外の用途にも仕向けられているので、これらの安定確保を図る。

    平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
    「草地酪農における道産飼料100%の乳牛飼養法」(普及推進)
[具体的データ] [その他]
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