かぶの肥培管理および病害虫防除の指針


[要約] [キーワード] [担当]道立道南農業試験場・研究部・病虫科
[連絡先]電話0138-77-8116
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 道南地域のかぶ主産地七飯町におけるかぶの栽培はハウス作型(4月中下旬収穫)および露地トンネル型(5月下旬〜6月上旬収穫)のみである。
  2. 現地のハウス作型では総窒素施肥量が9〜13kg/10a、土壌の硝酸態窒素が7mg/100g以上であり、露地トンネル作型では総窒素施肥量が9〜11kg/10a、熱水抽出性窒素が5mg/100g以上である。両作型とも収量は5〜6t/10aである。
  3. 窒素用量試験の収量、根部の乾物生産量、施肥窒素利用率から判断して、ハウスおよびトンネル作型での効率的な窒素施肥量は、窒素肥沃度低水準の場合は、それぞれ15kg/10aおよび12kg/10aが適切である(表1)。
  4. 現地実態および窒素用量試験より、早春まきかぶの窒素肥沃度別の施肥対応を提示する(表2)。標準窒素施肥量(窒素肥沃度中程度における施肥量)は、ハウス作型では12kg/10a、露地トンネル作型では11kg/10aである。
  5. 現地でのハウスおよび露地トンネル作型での殺菌・殺虫剤の使用は、消毒済み種子の使用およびキスジトビハムシに対する播種時の粒剤1回施用であり、これにより病害虫の被害を抑えることができる。
  6. 道南での栽培はない露地春夏まき栽培の場内ほ場における発生病害は、白さび病、黒斑病、べと病、根こぶ病である。発生害虫はキスジトビハムシ、コナガ、アブラムシ等であり、キスジトビハムシの被害は甚大で薬剤防除では防ぎきれない。
  7. 防虫ネット(0.6mm目以下)被覆は、キスジトビハムシ等の害虫の侵入を抑えるが、アブラムシ類には効果がない。また、ネット被覆によりかぶの葉の徒長や品質低下をもたらし、適用時期は春と秋に限られる。
  8. 病害虫発生状況より各作型における適正な殺菌・殺虫剤使用回数を提示する(表3,4)。
  9. 現行作型での現地での病害虫防除は適切であり、他の作型では病害虫の被害を防ぎきれず、道南地域での栽培は困難である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本情報は、道南地域のこかぶに対しておこなったものである。

    平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
    「かぶの肥培管理および病害虫防除の指針」(指導参考) 
[具体的データ] [その他]
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