カキ殻粉砕物の石灰質資材に適した粒径


[要約] [キーワード] [担当]道南農試・研究部・園芸環境科
[連絡先]電話0138-77-8116
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 道南農試ほ場(露地、ダイコンを栽培)では、粒径が0.5以上1mm未満(0.5-1区)のカキ殻粉砕物を施用すると、施用直後を除き対照の防散炭カル施用の場合と同等なpH上昇がみられ、それより粒径が小さいとより早く上昇し(<0.5区)、粒径が大きいとpH上昇が遅れる(1-2区および2-5区)(図1)。
  2. 現地農家のハウス(ホウレンソウを栽培)では、カキ殻粉砕物の粒径が小さいほど土壌pH低下の抑制効果が大きく、粒径が1mm未満(<0.5区および0.5-1区)であれば、対照の防散炭カルと同等の効果を示す(図2)。
  3. カキ殻粉砕物施用によるダイコンおよびホウレンソウの収量は対照区と処理間差が認められない(表1)。
  4. 以上より、カキ殻粉砕物は、粒径が1mm未満であれば、市販の炭カル資材と同様の施用量と方法で使用できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. カキ殻はホウ素を比較的多く含む(25mg/kg)が、その施用による土壌への負荷量は、市販のホウ素入り化成肥料(例えばN-P2O5-K2O-Bで12-16-12-0.2%を100kg/10a使用した時)によるホウ素施肥量より少ないと試算される。カキ殻のカドミウム含有量(0.15〜0.29mg/kg)は防散炭カル(0.28mg/kg)と同等である。
  2. 半年程度野積みしたカキ殻を使用し、粉砕前には乾燥処理を行う。

     平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
     「カキ殻粉砕物の石灰質資材としての特性」(指導参考)
[具体的データ] [その他]
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