可食部CdがCODEX基準値案を越えない土壌の可溶性Cd含量の推定法


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・生産環境部・上席研究官、土壌特性研究室
[連絡先]電話011-857-9232
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 土壌型、有機物施用条件、作付け体系(連作/輪作)が異なる圃場より作物栽培前に採取した作土の0.01M塩酸可溶性Cd含量と上記圃場で栽培したインゲン(大正金時)、アズキ(エリモショウズ)、秋まきコムギ(月寒1号)、春まきコムギ(ハルユタカ)可食部Cd含量の間に有意な正の相関がある。また、Cd人工汚染土壌の結果を含めると、相関がさらに高まる(図1)。
  2. 有意な正の相関に基づいて、土壌の0.01M塩酸可溶性Cd含量から作物可食部Cd含量を推定する一次回帰式が作成できる(表1)。
  3. 上述した関係から、CODEXで検討されている基準値案(2005.7現在、コムギ:0.2mg/kg現物、ダイズおよび落花生を除く豆類:0.1mg/kg現物)を越えないで作物を栽培できる土壌の0.01M塩酸可溶性Cd含量は、秋コムギ、春コムギで0.07mg/kg乾土以下、インゲンで0.23mg/kg乾土以下、アズキで0.30mg/kg乾土以下と考えられる(表1)。なお、ダイズでは基準値案が設定されていないが、豆類と同じとして求めると、コムギと同じ0.07mg/kg乾土以下となる。
[成果の活用面・留意点]
  1. 土壌のカドミウム(Cd)含量の多少にかかわらず、作物作付け前の土壌の0.01M塩酸可溶性Cd含量(測定法は平成16年度成果情報 北海道農業 p278参照)から作物可食部Cd含量が推定できる。
  2. 作物のCd吸収は土壌の有機物含量やpHによって影響されるので、0.01M塩酸可溶性Cdの測定は有機物や炭カル等の施用後に行う。また、作物によっては品種によりCd吸収が異なるので、適用に当たっては考慮する必要がある。
[具体的データ] [その他]
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