酵素処理によるタマネギの食品素材化と利用


[要約] [キーワード] [担当]道立食加研・食品バイオ部
[連絡先]電話011-387-4122
[区分]北海道農業・農産利用
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 破砕したタマネギに2種の市販繊維質分解酵素剤を併用して、適正条件で処理することにより、不溶性固形物の約80%を可溶化することができる(図1)。
  2. エキス化率は原料を加熱した場合も無加熱の場合も酵素処理により大きく増加し、いずれも90%以上となる(図2)。
  3. 風味改善のため、破砕したタマネギに一定量のショ糖を添加し、同様に酵素処理するとエキスのフラクトオリゴ糖含量が高まる(図3)。
  4. 酵素処理エキスは可溶性糖類含量が増加するため、微生物による発酵利用性が高まる。米麹による発酵では甘酸味が増し、アミノ酸の組成、含量が変化するとともにγ−アミノ酪酸(GABA)が生成する(図4)。また、Lactobacillus.plantarumにより乳酸発酵が進行し、約3g/lの乳酸が生成して穏やかな酸味が生じる(図5)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 本成果情報における供試品種は「スーパー北もみじ」で酵素処理の対象部位は鱗茎部である。
  2. 酵素処理タマネギエキスは高機能食品素材として調味料、菓子原料や健康食品等への広範な利用が可能であり、さらに麹や乳酸菌で発酵することで付加価値の高い健康飲料の開発が期待できる。
[具体的データ] [その他]
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