光センサーによるながいもの品質(乾物率・ねばり)測定技術
[要約]
光センサーを用いることによりながいもの品質(乾物率・ねばり)を非破壊で簡易且つ迅速に推定することができる。検量線作成と同様の方法で調整されたものについては、栽培年次、収穫時期、産地、貯蔵期間の影響を受けることなく品質評価可能である。
[キーワード]
[担当]道立中央農試・農産工学部・農産品質科、株式会社マキ製作所、株式会社エミネット
[連絡先]電話0123-89-2585
[区分]北海道農業・農産利用
[分類]技術・普及
[背景・ねらい]
光センサーによるながいも品質(乾物率・ねばり)の非破壊評価の可能性について検討するとともに、各種変動要因(栽培年次、収穫時期、貯蔵期間、産地、試料表面の状態)が光センサーによる測定に及ぼす影響を調査し、本試験において作成した検量線の適用範囲について明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 胴部および尻部の光センサーによる繰り返し測定時の変動係数は概ね2%以下と小さく、繰り返し精度は高い(表1)。
- 作成した検量線は、予測標準誤差SEPが乾物率で0.60%、ねばりで8.0RVUといずれも目標とするSEPの値(乾物率;1.60、ねばり;10.0)以下であった。また、重量規格別のSEPは乾物率で0.50〜0.64%、ねばりで6.3〜8.5RVUであり、重量規格の影響はほとんど認められない(表2)。
- ながいもの表面の状態(泥付き、水濡れ)が光センサーによる測定に及ぼす影響を調査したところ、重量規格により傾向が異なっていたが、乾物率、ねばりともにMサイズから2Lサイズの試料に関しては影響が小さい(表3)。
- 乾物率に関しては、栽培年次、収穫時期、貯蔵期間、産地等の影響を受けることなく光センサーによる測定が可能である。一方、ねばりに関しても変動要因の影響を受けることなく測定が可能であるが、一部推定精度が劣る産地もある(表4)。
- 以上の結果より、本試験において作成した検量線の適用範囲は表5の通りである。
[成果の活用面・留意点]
- 光センサーを用いることによりながいも品質(乾物率・ねばり)を非破壊で簡易且つ迅速に推定することができる。
- 検量線の作成には、おがくず詰めの状態のものを供試した。
平成17年度北海道農業試験会議における課題名及び区分
課題名:光センサーによるながいもの品質(乾物率・ねばり)測定技術 (普及推進)
[具体的データ]
[その他]
ながいもの非破壊品質評価・選別システムの開発
予算区分:共同研究
研究期間:2004〜2005年度
研究担当者:相馬 ちひろ、奥村 理
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