水稲品種「おぼろづき」の食味評価と石狩・空知南部における栽培指標


[要約]

[キーワード]


[担当]道立中央農試・生産研究部 水田・転作科、基盤研究部 農産品質科、道立上川農試・研究部 水稲科
[代表連絡先]電話 0126-26-1518
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. アミロース含有率が低いことにより、食味評価の「口当たり」「粘り」「柔らかさ」など食感の項目において他の一般うるち品種に比べ、「おぼろづき」は高く評価される。また、炊飯後の硬化、老化程度が緩慢であり、冷めてもその高い食味が維持される(データ省略)。
  2. 農試(北海道立中央・上川・道南農試、北海道農業研究センター)の奨励品種決定圃場およびそれに準じる圃場の気象データから得られた回帰式はy=-0.9447X+34.669、R2=0.7495(X=出穂後30日間平均気温、Y=アミロース含有率)であり、アミロース含有率は出穂後30日間の平均気温が1℃上昇すると約1%低下する(図1)。
  3. 食味官能試験より「おぼろづき」の食味は、タンパク質含有率8%未満、アミロース含有率12%以上、16%未満で、基準となる「ほしのゆめ」(4カ年平均,タンパク質含有率7.2%、アミロース含有率20.2%)より明らかに優る(図2)。
  4. 「おぼろづき」の総籾数や不稔歩合等は他の主要品種とほぼ同等であるが、千粒重は明らかに軽く、精玄米収量は劣り、タンパク含有率は高い傾向にある(データ省略)。
  5. グレーダーの篩目の拡大により精玄米の歩留まりが著しく低下する。篩目1.85mm〜1.95mmの白米白度、タンパク質含有率、アミロース含有率についての影響は小さい(表1)。
  6. 石狩・空知南部地域における「おぼろづき」の栽培において、倒伏が無く、タンパク質含有率8%未満を達成できる条件として、総籾数32千粒/m2〜33千粒/m2、窒素吸収量9〜10kg/10a程度、精玄米収量470kg/10a(篩目1.90mm)、精玄米収量510kg/10a(篩目1.85mm)を暫定的な指標として提案する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本試験結果は、主に空知南部および石狩地域の泥炭土で得られたデータであり、他の地域については検討が必要である。
  2. 調製の篩目は1.85mmの使用も可だが、外観品質を確認の上で色彩選別も併用する。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名及び区分
水稲品種「おぼろづき」の食味評価と石狩・空知南部地域における栽培特性(指導参考)

[具体的データ] 

[その他]




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